停電恫喝ネットワーク

takase222012-05-08

幸運にも連休中、仕事を休むことができた。
かみさんもたまたま休みになったので、思い立って岩手県秋田県に出かけた。私は山形出身だが、岩手、秋田は意外に行ってない。家族にも東北を見せたかった。
行楽地からはずれた地域の民宿などでなんとか宿泊は確保。連日の雨なのに、東北に行こうというJRのキャンペーンもあってか、観光客は多かった。
特に世界遺産になった平泉は混んでいた。写真は雨の中尊寺参道。平泉は、小学か中学の修学旅行で来たはずだが、何を見たのかまったく記憶になかったので新鮮だった。杉の老木に山桜が混じり蛙の声が響く。歴史ある寺院建造物の数々。すばらしい。世界遺産にふさわしいと思った。
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話はちょっと古くなるが、小沢氏の無罪判決のあと、28日(土)朝の「ウエークアップ」で小沢問題をスタジオで議論していた。
この番組、コメンテーターに中江有里が出ているのでチャンネルを合わせてしまう。美しく、頭がよく、気立てもよい(ように感じる)という三拍子そろった中江有里。大ファンなのだ。3月に終わったNHKの「週刊ブックレビュー」で、児玉清とMCをつとめていたのをたまたま観て、実に的確な書評をしているのに感心し、そこからファンになった。
「ウエークアップ」で、中江有里が、一人の政治家のことで国政が振り回されるのはおかしいという意味の発言をしていて、そのとおりだなと思った。
政治と金の問題は、一般論としては大事なことだと思う。しかし、いまやるべきは小沢氏の身体検査ではない。いま政治と金の問題として見過ごせないのは、電力業界から金をもらった政治家が原発の再稼動に奔走していることだ。
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東京新聞の「こちら特報部」が厳しい原発批判を続けているが、きょうの「原発再稼動への『脅し』」の記事は圧巻だった。夏に電力が足りなくなるぞというのは、再稼動のための「脅し」だというのだ。
《稼働中の原発がゼロになり、再稼働をめぐる攻防は佳境に入った。焦点は今夏の電力需給だ。大飯原発を抱える関西電力経済産業省、野田政権のネットワークは「停電の恐れ」をあおる。しかし、その根拠について、経産省に近い研究者は客観性に乏しく、恫喝(どうかつ)に等しいと看破した。電力不足ゆえの再稼働というより、再稼働したいがゆえの電力不足という演出が透けて見える
野田首相と関係三閣僚らは先月13日、関電大飯原発3、4号機の再稼動方針を決めた。
そこでは節電の困難さが強調され、再稼動がなければ、関西の産業界は「労働の休日シフト」「自家発電設備の増強」「生産ライン停止」「原産」が必要とされ、枝野経産相は3日、「実施計画を作る」と今夏の計画停電に言及した。
《こうした一連の流れについて、経産省に近いエネルギー分野のベテラン研究者は匿名を条件に取材に応じ、「根拠のない脅しだ」と批判した。
電力需給で鍵を握るのは、大口需要家の動向だ。(略)医療機関や冷凍冷蔵倉庫、コンピューターのデータセンター、半導体工場のクリーンルームなどが「節電困難」と区分された。だが、この研究者は逆に「最も節電効果が見込める分野」と反論する》
記事には、実際に大口需要家が独自努力で省エネに成功している例を挙げている。
デンソー」はクリーンルームの温度制御システムを開発して38%の削減。日本IBMは省エネ対策をビジネス化し、データセンターの空調電力の大幅削減に成功。(朝日生命ではセンターの電力4割削減)東京都では昨年度ピーク時電力量を前年度比29%まで削減したという。
《こうした大口需要家の節電成功例を見ると、“電力不足キャンペーン”の疑わしさが増す。むしろ、そこからは政治家、官僚、電力会社の三者による、いわば「停電恫喝ネットワーク」の存在が見え隠れする
稼動原発ゼロになった今、せめぎあいが本格化している。
だまされないように政治家の動きを注視していこう。