危機一髪だった首都圏の原発

takase222011-12-17

寒くなると赤い実をつけるのに千両がある。
写真は、うちの鉢植えの千両。実が葉の上に出ていて目立つのですぐに鳥に食われる。
万両は実が葉の下につくので長くもつという。他に百両、十両というのもあるが、みな種が違うらしい。
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14日午後、かみさんからメールが。
「あなたの高校がニュースに出てるよ」
山形東高校のトイレで女子生徒がナイフで切りつけられたという。翌日になって、切りつけたのは卒業生だったと報道じられた。
犯罪だし罰せられるのは当然なのだが、加害者もかわいそうだなと思う。
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木曜の報道ステーションで、村上達也村長(67)が東海第二原発廃炉を要求していることを特集していた。
東海村といえば、1957年国内初「原子の火」がともった「原子力発祥の地」(村のHPの村長のページより)である。その村で97年からおよそ14年にわたって村長をつとめる村上氏が10月、原発廃炉にせよと要求したのである。
村の3分の1が原発関係で働いており、村会議員20人のうち15人は推進派。この中での村上村長の行動には、反発も大きく、相当な勇気が必要だったろうと思う。

《震災当日、運転中だった日本原電・東海第2原発は自動停止した。「(震災直後)大丈夫だと聞いたが、とてもそんなもんじゃなかったんだ」と村上村長は声を強める。外部電源を失い、非常用ディーゼル発電機3台のうち1台が津波で停止する事態に陥った。想定では1日程度で冷温停止に至るはずが3日以上を要していた。東海第2の津波の高さは5・4メートル。福島第1を襲った15メートルもの波を受けていたら−−。
 政府、電力業界内部の「原子力ムラ」の体質を、村長は「戦前と同じ」と表現する。「戦争遂行に全部が固まっちゃってて、確実に負けると思っててもそう言えないんだよ。そんなこと言ったら非国民になっちゃうんだもん。ね? 原子力ムラに入っちゃったら、安全性に疑問を呈したら生きていけない。この日本人の体質は変わらんと思う」
 原発維持勢力から貼られた「反原発派」のレッテルにはこう反論する。「3万8000人の村民に限っても、避難計画なんて立てられない。これだけの人口をどこが受け入れ、食糧、住居、医療、教育を提供できるのか。原発賛成とか反対以前のテクニカルな話ですよ」
 しかし、村の財政基盤は原子力に依存してきた。一般会計の歳入約200億円(09年度決算ベース)のうち、原子力施設関連固定資産税は約40億円、電源3法の交付金や県の補助金が約14億円。法人村民税のうち原子力関連が約3億円。合計すると歳入全体の約3割を占める。村長への批判の理由も、基本的にはこの「カネ」の話に尽きる。
 「カネだけでいえばそういうことになる。さもしいというかさびしい民族だなあと思うよ。原発は、造る前からカネが入ってくる、打ち出の小づちみたいなもの。あんな地方をばかにした政策はあってなるか、と。植民地政策と同じで、邪悪な政策ですね。村は30年、40年と恩恵を受けたかもしれない。だが、それでふるさとを失ったら何もないじゃないか。今回の福島のことで、私自身もふるさとという意味がはじめてわかったような気がしますよ」
 原子力史の中に、数々の「日本初」の文字を刻んできた東海村。村民は日本初の「脱原発」を選び取るのか。それとも−−。》(毎日新聞10月11日)
実は、首都圏唯一の原発である東海第二原発は、震災のとき、あわやという事態に立ち至っていたという。
これを知って、ぞっとした。東京が危なかったというのだ。
(つづく)