きょうは、社員の家族の葬儀のため岩手県盛岡に行った。
盛岡はとても遠いイメージを持っていたが、新幹線で東京からわずか2時間半で着く。
よく晴れていたが、街頭の表示を見ると、気温は1度。寒い。
故人は元教師で、会葬者は200人近かった。ハンカチを目に当てている人のなかには教え子もいたのだろう。弔辞を聞いていると、地元の人づくりに貢献する教師は、大事な仕事だなあとあらためて思う。
葬儀が終わり、駅に戻る途中、県庁の向かいに由緒ありげな建物が見えた。
通りかかったおばあさんに聞くと「岩手県公会堂」だという。
はて、どこかで見たような・・。
「古い建物なんでしょうね」と話をつなぐと、「日比谷公会堂と同じ人がつくったそうですよ」とのこと。
公会堂のHPによると「大正12年に昭和天皇のご成婚を記念して建設」されたとある。建設は日比谷公会堂より早いそうだ。
「設計者は、東京の日比谷公会堂や早稲田大学大隈講堂の設計で知られる佐藤功一博士です。岩手県公会堂は、日比谷公会堂より2年先に完成しており、(略)いずれも耐震壁構造を備えた近代コンクリート建築の先駆けでありました」(公会堂HPより)
東北にあって、盛岡はモダンな街だったようだ。
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さて、きのうの続き。
原発から放出された放射性物質は「無主物」だ―
東電は仮処分の申し立てに抗して、こう主張し、その引き取り、つまり除染を拒んだ。
《決定は10月31日に下された。裁判所は東電に除染を求めたゴルフ場の訴えを退けた。
ゴルフ場の代表取締役、山根勉 (61)は、東電の「無主物」という言葉に腹がおさまらない。
「そんな理屈が世間で通りますか。 無責任きわまりない。従業員は全員、耳を疑いました。」
7月に開催予定だった「福島オープンゴルフ」の予選会もなくなってしまった。通常は3万人のお客でにぎわっているはずだった。地元の従業員17人全員も9月いっぱいで退職してもらった。
「東北地方でも3本の指に入るコ ースといわれているんです。本当に悔しい。除染さえしてもらえれぱ、いつでも営業できるのに」
東電は「個別の事案には回答できない」 (広報部) と取材に応じていない》(朝日、11月24日)
裁判所は「無主物であるかどうか」には立ち入らなかった。汚染の除去が焦点となり、裁判所はこう判断した。
「除染の方法や廃棄物の処理の具体的なあり方が確立していない現状で除染を命じると、国等の施策、法の規定、趣旨等に抵触するおそれがある」
「事故による損害、経済的な不利益は、国が立法を含めた施策を講じている」
つまり国が作る仕組み、施策を待てというのだった。
しかし、国も東電もやらないから、ゴルフ場は裁判所に訴えたのだ。時間がたてば企業は倒産してしまう。
(以上、朝日新聞、11月25日付より)
実際、たくさんの会社が次々に行き詰って倒産している。
それにしても「無主物」との主張にはあきれてしまう。
以上の事情を知った上で、もう一度、きのうの川柳を読んでみてください。
ああそれは無主物ですと犬のフン
(つづく)