すごい冒険家たち

takase222011-10-02

きょうは、石川直樹さんをインタビューした。
今年、エベレストへの10年ぶり2度目の登頂に成功。中判カメラを頂上まで持っていって撮影してきた。石川さんは、旅する哲学者とでもいうべき人で、07年には開高健ノンフィクション賞、今年はCORONAで土門拳賞と、文章でも写真でも注目されている。きょうは私たちを入れて取材が6つも入っているという。
前から、この人は、将来大物になると確信していたが、いまの勢いはすごい。まさに売れっ子だ。
石川さんは学生時代から南太平洋の航海術を現地で学んでおり、その企てにいたく感心して彼と会ったのが10年以上前。その後、2001年、石川さんは、7カ国の若者が北極点から南極点を、スキー、自転車、カヤック、徒歩などの人力で踏破するPOLE to POLE というプロジェクトに日本代表で参加した。これは9ヶ月の大旅行となり、石川さんは刻々と通過地点から報告を送っていた。私もその「応援団」に名前を連ねていた。
彼の番組を作りたいなと思って、いまだに実現できずにいる。きょうはほんとに久しぶりだった。
インタビューした場所は台東区谷中の「スカイザバスハウス」、もと「柏湯」という銭湯だったのを改装したギャラリーだ。そこで石川さんのエベレストの写真を展示、販売している。肉体的にも精神的にも極限状態のエベレスト頂上付近で、中判カメラを操作するというだけですごいが、写真がまたすばらしい。
探検家、冒険家には憧れがある。
常識はずれのとんでもないことをする人が好きだ。ラディカル(根本的な)な思想や革命に惹かれるのもその線上なのかもしれない。
きのうは、もう一人の尊敬する冒険家、グレートジャーニーの関野吉晴さんが航海したカヌーを見て、触ってきた。
関野さんは、インドネシアから日本までの人類の海のルートを3年がかりでなぞった旅を今年完成させた。その旅の記録が、武蔵野美術大学で「海のグレートジャーニー展」として展示されていた。
きのうが最後の日だったので何とか都合をつけて見に行った。
12号館前に2隻のカヌー「縄文号」と「パクール号」が展示してあった。これは遠い昔の先人と同じ工法で、地元で手に入る材料で、自分たちの手でつくったカヌーなのだ。もちろん、金属やプラスチックなどは一切見当たらない。
図書館では、写真展と帆や工具などの展示があった。
一番はじめに木炭が展示されている。木炭とカヌーが、どうかかわっているのだろう。
(つづく)