肉も魚も危ないと、不安が募る一方で、時間の経緯とともに、どうしようもないという諦めに似たムードが蔓延してもいる。
政府の無策が大きい。
初動での情報隠蔽と、次々とひっくり返された根拠なき楽観的説明で、政府・東電の言うことは信頼されなくなった。これを挽回し、国民を少しでも安心させるためには、大規模な除染措置、健康調査、農家への補償など、すばやい対策を採るべきなのに、やっていない。
情けなくも行政がもたもたしているから、民間が動き出している。
例えば、SEEDIと行政を通じた調査があれば、政府は詳細な汚染地図がすぐにも作れたはずだ。どこにホットスポットがあるかわからない状況があるのに、それをやらないから不安が募る。
NHKのETVで放送された「ネットワークで作る放射能汚染地図」のような貴重な作業がある。
また、放射能汚染拡散の全体像を示した東日本地図を、火山学が専門の群馬大学教育学部の早川由紀夫教授が作成している。
事故後の地表近くの風向きと雨に応じて、死の灰が思いもよらぬ場所まで拡散したようすが人目でわかる。なぜ、遠く離れた地域の稲わらが汚染されたのか、意外なホットスポットの存在もこれで理解できた。(東京新聞22日こちら特報部)
http://kipuka.blog70.fc2.com/blog-entry-397.html
また、この日記でも何度か書いた、子どもたちのサマーキャンプだが、政府がやらないならと民間がはじめている。全国各地で、子どもの疎開、避難受け入れ団体が立ち上がっている。
http://www.shinentai.net/2011/06/26/%e5%85%a8%e5%9b%bd%e5%8f%97%e3%81%91%e5%85%a5%e3%82%8c%e3%83%9e%e3%83%83%e3%83%97/
低線量の長期的被曝の身体への影響は、よく分かっていない。
しかし、科学的な結論はどうであれ、現にパニックが広がっている。できるだけ放射線に被曝しないようにという予防原則にもとづき、政府はやれる措置を迅速にやることだ。
安全な肉だけが流通していると国民を安心させる検査態勢を採る一方、汚染肉が見つかったら東電はすぐに畜産農家に償う。
「宣言」もいいが、具体策を急いでほしい。
子どもたちの夏休みがもう始まる。