リフォーム屋の提言

報道ステーションで、石巻市の、一階が床上浸水し二階で避難生活をしている家族が紹介されていた。
一階だけが水をかぶった家は多いが、緊急に対策を採ってほしいことがあるので、きょうはこれについて書く。
もう、半月以上前、リフォーム会社をやっている昔の友人が、急にオフィスにやってきた。「すぐにテレビで放送してほしいことがある」というのだ。
彼の仲間が津波被災地にボランティアで行ったところ、床上浸水した家の後処理が全然なされておらず、このままでは大変なことになると連絡してきたという。
床上浸水した家は内部の柱にまで泥水が達している。だから、水が引いたあと、畳を干すくらいで終わらせると、骨組になっている柱が腐ってしまう。そうなると、リフォームで済むところが、家全体を建て直さなくてはならなくなるという。
リフォームと建替えでは、個人にとってもその地域社会にとっても負担が全然違う。
今すぐではなく、将来大きな問題になることだ。
床板を引きはがし、壁のパネルや壁紙をはがして、柱や床下、壁の内部に消石灰をまき、しっかり乾燥させなくてはならない。
これは災害のときの定石らしい。
http://blog.livedoor.jp/niigata_sumai/archives/cat_50036157.html
それなのに、被災地では、ほとんど手付かずだったので驚いたという。
市役所に行って訴えたが、全く相手にされなかったそうだ。まだ泥出しも済んでいない被災地も多いから、行政も手が回らないのかもしれない。
行政がやらないなら、なるべくこれを知らせて、近所で助け合って、バールなどの簡単な工具で、床板はがしを進めてもらいたいとリフォーム屋の仲間たちは思った。
そこで、新聞社や通信社を回ったが、やはり相手にされず、私のオフィスに来たというわけだった。
プロフェッショナルとしての災害への貢献というのは、こういうことなのだろう。
梅雨入りまでには、広めてほしいというので、さっそく某テレビ局の報道に持ち込んだ。うちの仕事にならなくていいから、ニュースで取り上げてもらいたいと提案したら、すぐに検討すると言ってくれたのだが、結局、放送されない。
いま手を打たないと家がダメになるかもしれないという情報は、被災者にとってとても大事だと思うのだが。
もう梅雨になってしまった。
もし、このブログの読者で、ボランティア活動にかかわっている人がいたら、現地にこの情報を知らせてください。