桜満開の置賜を行く

takase222010-05-03

山形に帰省した。
親の今後について相談をしにいったのだが、今年は異様に桜の開花が遅く、ちょうど満開の時期にあたった。北国の春を堪能した。
置賜地方は「桜回廊」を観光の目玉にしているくらい、桜の名所が多い。http://yamagata6.blog118.fc2.com/blog-entry-153.html
写真は、きょう見てきた長井市伊佐沢の久保桜。エドヒガンザクラだという。
何本ものつっかい棒で支えられてやっと咲いている様は介護老人のようだが、樹齢なんと1200年!
人の世は移り変わっても、この桜は平安時代から毎年花を咲かせてきたんだな。物思いにふけりながら、しんみりと木を見上げている人が多いように思われた。
快晴に恵まれたきょう、この周りは花見客でいっぱい。臨時の駐車場まで設けられ、ボランティアが車の整理に出るほどの人手だった。玉こんにゃくや地酒の出店もにぎわっていた。
土日、しばらくぶりに、米沢はじめこの地方の町の商店街を見て、そのさびれように衝撃を受けただけに、桜の周りの人だかりには、何かほっとさせられるものがあった。
きょうはまた、近くの川西町に、先日亡くなった井上ひさし氏の遅筆堂文庫を訪ねた。http://www.plaza-books.jp/pc/chihitsudo.html
井上ひさし氏はこの町の小松という集落の生まれで中学までここで育った。演劇集団「こまつ座」はここから命名されている。
私は、井上ひさし氏の日本語関連の本は好きで読んでいたし、『吉里吉里人』には奥深い才能を感じたが、さほど本を読んでいない。だから、遅筆堂文庫に、てんぷくトリオのシナリオまであるのを見て、あらためてすごい人だったんだなと感心した。人を面白がらせることに殉じた人だったのか。
そんなことを思いながら、きょうの朝日新聞の俳壇を見ると、奇しくも、井上ひさし氏に捧げた句が金子兜太の選にあった。

敵も味方も山も笑わせゆきしかな 福島市 中村晋)

小松の里も、桜、コブシ、水仙が一斉に花開いて春爛漫である。