常岡浩介さんアフガンで誘拐さる

takase222010-04-02

きょうは、上の娘の短大の入学式。
高校の卒業式も行ってやれなかったので、きょうくらいは娘に付き合おうと思っていたのだが、朝テレビをつけると「ジャーナリストの常岡浩介さんがアフガンで拉致」とのニュース。そのまま家を飛び出した。
実は、常岡さんのアフガン入りについては私が以前から相談に乗っていて、先月中旬日本を出て以来、連絡をもらっていた。
一昨日31日の午前1時にメールが届いた。現地30日の夜に発信している。
《ただいま、アフガニスタン北部の激戦地クンドゥズの旅籠に潜伏中です。空港でも、旅籠でもパスポートなどを示さず、上から下まで着替え、完全に現地人になりすまして滞在中です。
予定では、明朝、(タリバンの)使者が現れて、私だけをタジキスタン国境地帯にある(略)彼らの「解放区」へ連れていってくれるということです。
タリバン側は取材が終了したら、再び、この旅籠へ送り届けてくれるということです。
危険があるとしたら、現時点ではタリバン側ではなく、アフガン政府軍と米欧軍当局に攻撃されたり、暗殺されたりすることだそうです。》

常岡さんのツイッターには、こうある。
《使者が現れた。いよいよです。目的地でネットが繋がるといいんだけど。 9:10 PM Mar 30th》
《使者はこちらが外国人だと知らなかった。連絡うまくいってないのか?ちょっと上に相談、ということでいってしまった。むむむ? 10:01 PM Mar 30th》
《彼らの支配地域に入りました。 1:10 AM Mar 31st》
タリバンの完全解放区を訪ねて、今電波のあるところへ出て来ました。 7:29 PM Mar 31st》



つまり、30日の夜9時(私にメールを出した後)に「使者」が現れ、深夜タリバン支配地に入っている。朝には「電波のあるところ」に出た。その後、消息不明になっている。
異変を告げる第一報はメールで日本人二人に送られてきたが、私は昼前にそれを入手した。
メールを送ってきたのは現地のジャーナリストで、きのう1日の夕方、常岡さんのコーディネーターから電話で、常岡さんがタリバン支配地区を訪問したあと誘拐されたと知らせてきたという。
現地ジャーナリストの英文のメールには《(タリバンは)誘拐した者を探し、彼の身柄を安全に取り戻そうとしている。この事件を公表しないでほしい》と書かれている。
タリバンは事件に焦って、なんとか常岡さんを見つけようとしているというのだ。

こう見てくると、誘拐者はタリバンではない。
可能性としては、身代金目的で外国人を狙うごろつき武装グループか、「政府軍と米欧軍当局」が考えられる。とにかく、無事を祈る。

常岡さんが3月24日前後に撮影したビデオテープを入手した。
TBSが流したいというので、昼ニュースに立会い、夕方も使用するという。
読売のネットニュース:
アフガニスタンで取材中の日本人フリージャーナリストについて、現地に滞在している知人から「連絡が取れない」との情報が日本政府に入ったことが2日わかった。政府は、誘拐された可能性が高いとみて情報収集を続けている。現地の支援者が、解放の交渉をしているという。
 連絡が取れなくなっているのは、長崎県島原市出身で東京都中野区在住の常岡浩介さん(40)。政府関係者によると、拉致した相手の目的は、現段階では不明。
 常岡さんの父親で島原市内の総合病院に勤める医師の常岡武久さん(71)は2日朝、「外務省から連絡があったが、今は『ノーコメント』と答えるように言われているため何も言えない」と話した。常岡さんがアフガニスタンに入っていたことについて「息子からは何も連絡がなかった」と困惑した様子だった。
 常岡さんは2001年7月にも、ロシア・チェチェン共和国の紛争取材に向かうため入国した隣国グルジアで行方不明となり、約半年後の12月に同国内で保護されたことがある。
 外務省は07年7月からアフガニスタン全土に在留している日本人に対して退避勧告を出し、渡航の延期を指示している。4段階に分かれている同省の渡航情報の中では一番重い。》(2010年4月2日 読売新聞)
この事件については、3月中旬から下旬にかけて常岡さんと一緒に取材していたイスラム法の専門家、中田考さん(同志社大学教授)と連絡を取りながら、情報収集に当たっている。
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