トイレの世界標準2

takase222009-09-26

さて、私は既婚者だが、結婚指輪をしていない。結婚してまもなく、ミャンマーのトイレで無くしてしまったのだ。
ヤンゴンの食堂で昼食をとったとき、大をもよおし、トイレに入った。当然、紙ではなく水でお尻を綺麗にする「手動水洗方式」である。普通は小さなボウルかタライ様の容器に水を入れて右手に持ち、左手でお尻を洗うという動作になる。そのままだと指輪は濡れる。汚い感じがして、用をたすときにはいつも指輪を外していた。食堂を出てしばらくしてから指輪がないの気づき、戻って探したが、見つからなかった。
ところで、「水でお尻を洗う」というけれど、実際にどうするか、ご存知だろうか。ガイドブックにも具体的な「作法」は書いていない。私はタイに住み始めたころ、タイ式トイレの使用方法がわからず、失敗を重ねたものだった。
自分がその動作をすることを想像してほしい。
写真はごく一般的なタイ式トイレで、水道または水瓶がある。
まず用をたす前にボウルに水をくんで手の届くところに置いておきます。あなたは、用をたした後、お尻を出したまま、便器にしゃがんでボウルを右手に取りました。さあ、ここから右手、左手をどう動かして肛門を清めるのでしょうか。
私はまず中腰になって、右手のボウルを臍の前あたりにかまえ、左の手のひらで水をすくい股グラの下から肛門を洗おうとした。しかし、水がどんどん手から漏れるのでうまく洗えない。何度も繰り返しているうち、下ろしたズボンに水がかかってびしょびしょになった。
そこで次には、ズボンを濡らさないことを優先し、水をすくった左手をぐるっと回してお尻の左後方から接近を図った。だが、これはさらに途中の水漏れが激しく、肛門まで水が到達しない。
「手で水をすくって肛門まで運ぶ」という動作がそもそも間違っているのでは・・・。
軌道修正を迫られた私は、手ではなく、ボウルの方を動かす、つまりボウルをお尻に近づけるという方法を考え始めた。
昔、水をはった洗面器で顔をばしゃばしゃ洗ったものだが、あのイメージで、ボウルを肛門の直下に持ってきて水をすくいながら洗ったらどうか・・・。
これはしかしアウトである。ボウルが汚れてしまうからだ。タイでは、トイレが水浴びの場所にもなっており、このボウルは水浴びにも使うから清潔に保たなければならないのだ。
そこで、ボウルを体の後ろに回し、水をお尻にザーッとかけ、その間に左手で洗うという方法を試してみた。これならボウルは汚れないし、肛門もきれいになる。しかし、腰から下、太ももあたりまでびしょ濡れになる。紙はないから、濡れたままパンツとズボンをはかなくてはならない。
迷っている外国人は多いらしく、「タイのトイレ・エチケット」などと題する英語のブログやコラムがたくさんある。
《私はアジアにながく住んで、しゃがむトイレ(英語でスクワット・トイレットという)には慣れたのだが、びしょぬれにならずにトイレをどう使えばいいか、いまだにミステリーである》などと書く人もいる。外国人の多くは、タイに長期滞在していても、トイレの使用法を知らないのではないか。
http://www.thaivisa.com/forum/Thai-Toilet-Etiquette-t112823.html
「どうやってお尻を洗うんですか」などと聞くのもはばかられ、私は数ヶ月間、失敗を繰り返しながら人知れず悩んだものである。
ではタイ式トイレの正しい使用法とは?
(つづく)