生きる希望(風ビニより)

takase222009-07-18

こないだ、イラン出身の女優サヘル・ローズが、先月27日(土)のNHKドラマ「風に舞いあがるビニールシート」に出演した話を書いた。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20090627
残念ながら見逃したという人もいたので、ちょっとだけストーリーを紹介しよう。このドラマの主人公は国連難民高等弁務官事務所のスタッフ里佳(吹石一恵)。
里佳は、日本人の養父母に育てられたイラン人の難民ピアニスト、結城マリア(サヘル・ローズ)のチャリティ・コンサートの担当になり自宅に打ち合わせにいく。
「コンサート用に新調する衣装を経費で落としてください」と言うマリアに里佳は、そんな費用は難民支援にまわして欲しいと反論。
マリア「あなたは、私を広告塔にしてたくさんお金を集めようということしか考えていない」。里佳「食糧や薬品など支援にはお金がかかります」という応酬のあと、マリアがぴしりと言う。
「あなたは何にも解っていない。難民が必要としているのは、お金なんかじゃないわ!」
交渉は中断。里佳はマリアが理解できずに悩む。 
実はマリアは毎月、ベトナム料理店で難民を力づけるコンサートをボランティアで開いていた。ある日、その会に里佳が顔を出した。
マリアはピアノを弾く前に、紙でできた鍵盤を取り出した。それは難民キャンプで父親が作ってくれたもので、幼いマリアはそれで懸命に練習したのだった。
そのベトナム料理店の名は「カウ・ヴォン」、ベトナム語で虹という意味だ。マリアはいつも空にかかる虹に希望を託して生きてきたと語る。
マリアは集った難民たちに「美しい昔」というベトナム戦争中にヒットした曲を弾いた。
このコンサートのあと、里佳は再びマリアを訪ねる。新たな企画書には、コンサートのタイトルに「希望」の字が躍っていた。難民に必要なのは《希望》だと理解したのだ。
チャリーティーコンサートが行われた。マリアが最後に弾いたのは「ふるさと」で、「兎追いし かの山・・・」とみんなで合唱した。そのとき会場の参加者がいっせいにパネルを掲げた。会場全体に虹が描かれた。里佳がマリアのために用意したサプライズだった。(http://ameblo.jp/kirimarukun/entry-10288925183.htmlドキュメンタリー番組を紹介する「きりまる」さんのブログより紹介)
この場合は、難民に必要なのは《夢》よりも《希望》がふさわしいと思った。
実はこのドラマを岡野先生が観ていて、感想を聞く機会があった。
「人生に必要なのは《希望》だというのは、「生きる支え」ということですね。
でも《希望》よりもっと大事なのは、生きて死んでいくことの意味、それを納得することだと思います。」
私もそれを納得して生きたいと思う。