「獅子吼」した佐々井師

takase222009-06-07

サンプロの編集、私だけ早く抜けさせてもらって、午前2時前、編集所から会社に帰る。会社には、ディレクターが一人残って、別の番組の準備で朝までパソコンに向かっている。一つだけある折りたたみ式簡易ベッドで寝ていたら、5時ごろドヤドヤと人が入ってくる気配。あさって放送の「ガイアの夜明け」(テレビ東京系)組だった。編集を終えたサンプロ組3人が帰ってきたのは6時ごろ。ディレクターは2夜連続徹夜だ。私が寝ているベッド以外にソファが二つあるので、放送前の打ち合わせまでそこで仮眠をとる。あぶれた一人は椅子に坐ったまま机につっぷしていた。
テレビ制作の現場は、華やかなイメージと裏腹に、かなり「体育会」系できつく、しかも給料が安い。テレビ制作会社では、新人が定着しないというのが共通の悩みになっている。この業界をよく知っている人が私にこういった。「そのうち、コンビニやレストランみたいに外国人労働者だらけになるよ」。
きょうのサンプロは、第一コーナーに、釈放になった菅谷さんが生出演。警察は「本当のことを言え」と執拗に迫り、菅谷さんはやってもいない犯行のシナリオを自分でこしらえていったという。怖い話である。
この事件はサンプロで特集したが、大谷昭宏さんたちが早くから世に訴えてきたことが、今回の釈放につながっているのだろう。メディアで世の中を動かしたことに敬意を表したい。
私たちの担当の特集「決戦!イラン大統領選」は、一昨年からの「渦中のイラン」シリーズの5回目となる。他の番組では、この手の企画(予算がかかるわりに視聴率が上がらない)はなかなかやれないだろう。この点、サンプロはありがたい番組だなあと思う。
番組が終わって佐々井師の講演を聴きに護国寺に向かう。本堂にはパイプ椅子が二百ほど並べてあったが、開会30分前にはいっぱいになった。前の方のスペースの床に百人ほどが坐り、後ろにぎっしりと立ち見がでたうえ、本堂からあぶれた人も多かった。聴衆はたぶん五百人を超えていたと思う。この講演の企画はつい2週間ほど前に決まったらしいが、よくこれだけの人が集ったものだ。
はじめに山本宗補さんが佐々井師の現地での活動をスライド上映。インド、ナグプール市に数十万の仏教徒が集った大集会の写真はすごかった。この日一日で7000人が得度し、通りに黄色い袈裟姿があふれたという。(写真)http://homepage2.nifty.com/munesuke/india-sasai-2006-photo-reportage.htm

いよいよ佐々井師の講演。まず、その大声に驚いた。佐々井師は「獅子吼」すると聞いていたが、腹の底から発声する大音響。74歳で体はがたがただと言うが、質疑応答を入れて2時間半「獅子吼」しつづける。「怪物」の迫力に圧倒された。
インドでは、カーストに入らない不可触賎民がいまだに動物以下の扱いで、レイプされ殺されても犯人が処罰されないケースなどもよくあるという。彼らの先頭に立って闘うというのが佐々井師だ。
ただ、「菩薩」の捉え方には納得できない点がいろいろあった。講演の感想はおいおい書いていこう。
終わって本堂を出ると有田芳生さんに会った。私のブログの案内を見て来たとのこと。一緒に歩いていたら、統一教会の元信者が声をかけてきた。一人の女性が、いま仕事をさがしているが、ひとのためになることをしたいと思って講演会に来たと言っていた。
いま多くの人が「何か」を求めている。