サンプロは全編「テポドン」で、11時半すぎ、番組中にテポドン2の打ち上げの報が入ってきた。きのう打たなかったのは強風のせいか。
今回のテポドン2は騒ぎすぎではあるが、この際、よい機会だから、特集ではもっと重大な問題があることを指摘しておきたかった。それはノドンの脅威だ。北朝鮮は150基とも200基とも言われるノドンを実戦配備していて、日本全土がその射程のなかにある。
ノドンは地下施設に置かれ、トレーラーで移動するので、探知と事前破壊が非常に難しい。テポドン2は実験段階で、何ヶ月も前から衛星にマークされて世界中が見守る中で発射されたが、これとは違うのである。
最近、原爆をノドンに搭載しうるほどに小型化(弾頭化)できている可能性が大きいとする報告書がアメリカ軍関係者やシンクタンクから出されている。これは、小型の原爆を作る設計図が、カーン・ネットワークhttp://www.gensuikin.org/gnskn_nws/0403_4.htmから北朝鮮に流れたという情報があるからだ。
この情報が正しいとすれば深刻な事態である。ミサイル防衛は無力化される。通常爆薬の弾頭のノドンが数発飛んできて、迎撃ミサイルを使い果たしたあとに、原爆を搭載したノドンが飛んできたらおしまいである。
今回のミサイル発射を、アメリカに振り向いてもらうための「ラブコール」だと表現する人がいる。しかし、北朝鮮は同時に、アメリカが提示した莫大な食糧援助を拒否しているのである。
《ウッド米国務省報道官代行は17日の記者会見で、北朝鮮が米国の食糧支援を今後は受け取らないと数日前に通告してきたことを明らかにした。深刻な食糧不足にあるとされる北朝鮮だが、支援拒否の理由は明らかにしていないという。
食糧支援は昨年6月、米朝合意で2年半ぶりに再開。合意された50万トンのうち、今年1月後半までに約17万トンが届けられた。支援は信頼醸成の意味合いもあったが、「人工衛星」発射予告で米国などとの関係が緊張する中、北朝鮮は一層、態度を硬化させている。
報道官代行は「支援は困窮した北朝鮮国民を助けるもので、(受け取り拒否に)失望している」と語った。》(毎日新聞3月18日)
アメリカは北朝鮮と対話したいという姿勢をはっきりと打ち出していたのに、それをあえて蹴っているのだ。
《クリントン米国務長官は11日、日中韓3か国歴訪中にスティーブン・ボズワース米政府特別代表(北朝鮮担当)の北朝鮮訪問が実現しなかったのは、「北朝鮮から招待されなかった」ためと明らかにした。》(読売新聞3月12日)
ラブコール説を推し進めると、アメリカと交渉するために核やミサイルを開発したという転倒した論理にまで行ってしまう。今回も、アメリカの気を引くために3億ドルといわれる発射費用を使ったというのだろうか?