デモから一夜明けて

takase222008-06-11

きのうのデモ、あまりに大きすぎてその規模はよく分からない。ある人は87年以来の規模といい、ある人は02年のサッカーワールドカップで集った人数に匹敵するという。新聞記事によると;
《米国産牛肉の輸入再開への抗議運動が続く韓国で10日、韓昇洙(ハン・スンス)首相ら全閣僚が辞意を表明、夜には市民団体などがこれまでで最大規模のデモ「全国100万人反政府集会」を決行するなど混乱が拡大した。(略)集会は1987年、軍事政権から民主化を勝ち取った大規模デモの開始記念日を期して開催。午後11時30分現在、主催者発表で70万人、警察推計では約10万人がソウル中心部に集結し、政府に牛肉の輸入条件を見直す再交渉などを求めて青瓦台へ行進した。》(日経)
普通はデモなどには縁のない小さな子どもなどもいたり(写真)、屋台が出たりと、非常に大衆的なデモだったから、かなりの人数になったはずだ。集会の取材経験のある地元記者によると、「ソウルだけで20〜30万人はいただろう」とのこと。夜が明けても、デモ隊の一部が路上に寝転ぶなどして午前中まで交通渋滞が続いた。
なぜ牛肉輸入問題がここまで大きくなったのかは、これから調べてみたいが、インターネット・メディアの影響力が一つの要因であることは確からしい。
ビデオカメラで撮影した映像をそのままライブで発信するのが非常にはやっている。デモ参加者が10万人でも、ネットでデモの実況を見る人は100万人規模になるという。集会場では「朝」「中」「東」と書かれたペンがポッキリと折れているステッカーを配る人がいたが、これは「朝鮮日報」「中央日報」「東亜日報」の三大紙に象徴される既成メディアを否定しようというメッセージだ。
記者会見などの場にも、素人のネット取材班が押し寄せて、以前よりずっと混み合うようになった。この時代、私たちマスメディアの役割とは何か、考えさせられる。