「人生なんでもあり」のニート忘年会

takase222007-12-30

30日は、新宿ロフトプラスワンで「ニートのための大忘年会」があった。
ざっと100人くらい参加者がいて楽しく、考えさせる会だった。
いろんな人が登場したが、「オールニートニッポン」ANNで「絶望男の逆襲」というコラムを持つ白井勝美さんの話が印象的だった。うつ病でひきこもり歴30年という46歳。精神を病む母は宗教に凝り、インスリンを打ちながら働く弟が3人家族の生計を支える。その弟とはもう5年も一言も話をしていないという。白井さんは、悲惨極まりない境遇なのだが、たんたんと冷静に客観的に語っていく。彼は文章を書くのが好きで、自己表現をするようになり、人前にも出るようになる。1月末には『絶望男』という本を出す。「どん底を見たので、もう怖いものないです」という言葉は真に迫っていた。
新潟から駆けつけた月乃光司さんは、元アル中で精神病院に入院したり、自殺未遂や引きこもりも経験した表現者で、心身障害者のパフォーマンスイベント『こわれ者の祭典』の発起人でもある。忘年会では、「人生なんでもあり」という詩を朗誦した。これはすごかった。
「ルカの福音書」から「いま飢えている者は幸いだ。やがて、あなた方は満ち足りるから。いま泣く者は幸いだ。やがて、あなた方は笑うから」を引用してこう絶叫する。
「アル中になってよかった!神様!僕に生きづらさを与えてくれてありがとう!」
ホームページで、この詩をテレビ出演して朗読したときの映像を見ることができるから、ぜひ見てほしい。目の前で絶叫されると感動的である。とにかくすごい。
http://blog.livedoor.jp/byoukidayo/
「元ひきこもりナンパ師」、夏目涼介さんは1時間のナンパに出て、4人に声をかけたが失敗したと会場に現れた。彼は、桜井聖良疋田紗也というメイド姿のギャルとナンパについて語るというトークを行なった。この二人は名前も知らなかったが、「アイドルで〜す」と自己紹介していたからアイドルなのだろう。トークの後、アイドルたちは歌と踊りを披露した。(写真)
追っかけの中年男性がステージに上って人差し指を突き上げ「ゴーゴーセイラ!」と絶叫する。汗だくでアイドルと一緒に体をくねらせて嬉しそうだ。これがオタクというやつなんだな。
ANNでは、引きこもっている人に「だらしないぞ!ちゃんと働け!」とはっぱをかけたり、どっかの「キャンプ」に入れて起立!礼!とやって労働市場のニーズに合わせようとしてもうまくいかないと考えている。逆に、みんなが「自分のやりたいことを通じて自立する」ことを目指している。そして、とりあえずは、各人の辛さに共感しようという姿勢がある。
この試みは意味があると思うので、今後追々書いていこう。