すごいぞ天空の旅人

takase222007-11-23

朝、NHK総合で「天空の旅人 錦秋の大地を飛ぶ」を観た。尾瀬上高地、奥日光、箱根の紅葉を空から撮影していく。ヘリでもセスナでもなく、モーターパラグライダーからの映像がすごい。撮影するのは多胡光純(たごてるよし)君で、私の友人である。(写真は多胡君のホームページより)
多胡君の紅葉紀行を去年放送したら好評で、今年もとなったらしい。
「何という美しさだ!」
感動して叫びながら撮影するのが、多胡君独特のスタイルだ。
なかなか世に認められず、学校のグランドの人文字や建設現場の撮影をボランティア同然で請け負ったりしていたが、二年前、あるテレビプロデューサーに彼を紹介したところ、素敵な宇宙船地球号という番組でタクラマカン砂漠を飛び、一気に売れっ子になった。好きなことで食えるようになって、本当によかった。
モーターパラグライダーというのは、パラグライダーに巨大な扇風機のようなモーターをつけたものだ。ただのパラグライダーなら、高い山で風を待たなくてはならないが、モーターがあるので、平地から、しかも強い風がなくとも飛び立つことができる。ちょっとした空き地があればよい。全部たたんで持ち運びできるので、多胡君はこれを外国に持っていって飛んでは、好きなところに下りてそこに泊まるという旅をしていた。
何より優れているのは、風まかせではなく、操縦性が高いことで、高度も自由に変えられ、ぐるぐる旋回したりもできる。スピードも30キロくらいから歩く速度まで自在で、高度2000メートルから地表すれすれまで、実に変化に飛んだ映像を撮影できる。
これに乗って、しかもハイビジョンの画質で、日本の紅葉の名所を撮影するのだから、もう息を呑む美しさである。思わず、おー、すごい、と声が出てしまう。
それにしても、日本の自然は実に多様で美しいと思う。番組の最後は、多胡君の「ニッポンに紅葉があってよかった!ニッポンはすごい!」という言葉だった。この国に生まれ育ったことに感謝したくなる。
一つだけ残念だったのは、ナレーターの女性が、鼻濁音を発音できなかったことだ。多胡(たご)の「ご」、長野(ながの)の「が」、私の郷里の最上川(もがみがわ)の二つの「が」。とても気になった。
日本の美しさを堪能する番組なのだから、日本語も美しく発音してもらいたいものである。