沈黙のミャンマー大使館

takase222007-10-25

きょう、「ミャンマー軍による長井さん殺害に抗議する会」に寄せられた署名を届けにミャンマー大使館に行ってきた。
署名は10月2日から始めて、ほぼ1万筆集った。7割以上はインターネットで寄せられたもので、事務局が配慮して住所を消してプリントアウトした。直筆の署名簿を見るとミャンマー人のローマ字の名前がずらりと並んでいた。在日ミャンマー人が精力的に署名簿を回して集めたのだという。
石丸次郎(ジャーナリスト)、北村肇(週刊金曜日編集長)、島田裕巳宗教学者)の各氏と事務局、支援の市民と北品川の駅に集り、計8人でミャンマー大使館に向かった。午後2時半に大使館前に着くと、パトカーや警官、テレビ、新聞の取材者の集団が待っていた。
大使館入り口は、金網のフェンスがあって入れない。さらに10メートルほど中にもフェンスがはってあって二重にブロックされている。守衛室を見ると、ガラスの全面に新聞紙を貼り付けて、中が見えないようにしている。異様である。(写真は大使館)
石丸さんが門のインターホンを何度も押すが、何も反応がない。「書名簿を手渡したい」と言っても返事がない。インターホンのスイッチは入っており、向こうで息をこらして黙っている様子だ。
ここまで不誠実な対応をするのかと驚いた。責任者が出てこないまでも、抗議文と署名簿の受け取りくらいはするだろうと思っていた。朝鮮総連への抗議団が、抗議文を投げ入れたら、中から投げ返してきたニュース映像を見たことがあるが、ミャンマー大使館は完全に我々を無視するという態度できた。しかたがないので、郵便受けに署名簿を差し入れ、抗議文を読み上げた。(抗議文は10月3日の日記参照)
夕方からTBSとNHKで、ニュースを流していたのを見た。
ミャンマーで取材していたジャーナリストの長井健司さんが、治安当局の銃撃で死亡したのを受けて、ジャーナリストのグループが1万人の抗議の署名を集めて東京のミャンマー大使館に届け、真相の解明とビデオテープの返却を訴えました。」(NHK)
きょうのミャンマー関連ニュース;
【読売】《ミャンマー軍事政権が自宅軟禁下に置く民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんが25日、最大都市ヤンゴンの政府迎賓館で、スー・チーさんとの連絡役のアウン・チー連絡担当相と初めて面会した。
 軍政が、自ら提案した「条件付き対話」の実現に向け動き出した格好だが、11月に予定されるガンバリ国連事務総長特別顧問らのミャンマー入りを意識し、見せかけの融和策を強調しただけとみられ、「対話」が進展する可能性はなさそうだ。》
こんなのはポーズだけだということが見え見えだ。
【読売】《国連人権理事会のピニェイロ特別報告官は24日、国連総会第3委員会(人権)でミャンマーの人権状況について報告し、軍事政権による先のデモ弾圧で、最大110人が死亡したとの情報を明らかにした。
 ピニェイロ氏は、死者10人とした軍政の発表は「実際の数字を少なく見積もっている」とし、「ほかの情報源によると、僧侶30〜40人、市民50〜70人が殺害されたとみられている」と述べた。ピニェイロ氏は11月前半にミャンマーを訪問し、弾圧の被害者数や現在の弾圧状況の確認にあたる。》
国連は動こうとしているが・・・
【日経】《中国を訪問した国連事務総長特使のガンバリ特別顧問(ミャンマー担当)は25日、北京で唐家セン国務委員、王毅外務次官らと相次いで会談し、ミャンマー情勢について意見交換した。中国外務省によると、唐国務委員は「国際社会は建設的な支援を行うべきで、制裁と圧力ばかりではいけない」と述べ、ミャンマーの軍事政権への制裁に反対の姿勢を示した。》
相変わらず、中国は露骨なミャンマー軍政擁護だ。こういう国が国力を伸ばして国際政治を引っ掻き回す時代が始まりそうだ。
あさっては長井さんが殺されて1ヶ月になる。