ハンナラ党大統領候補決まる

韓国野党ハンナラ党予備選で大統領候補が、李明博に決まった。順当な結果なのだが、意外だったのは、あわや逆転かという接戦だったことだ。
「4人の候補が争った公認候補選は代議員と党員、一般国民から選ばれた有権者の有効投票数約13万票に、世論調査の結果を加味した。李氏は得票率49.56%を獲得。48.06%の朴氏をわずかに上回った。李氏は世論調査の結果で朴氏を上回ったが、投票全体の8割を占める有権者投票は朴氏の得票の方が多かった」(朝日新聞)。

先月までは、李氏が朴氏を引き離していると見られていたのに、ここまで接戦になったのは、朴氏側が李氏の不正蓄財疑惑などを執拗に取り上げた、いわゆるネガティブキャンペーンかなり利いたのではないだろうか。これに対して、朴氏には独身を守ってきたのに「隠し子」がいるとの疑惑がかけられた。二人に疑惑を質す聴聞会が8時間も延々とテレビで中継されるという前代未聞の事態になった。

政策での競いあいではなく、個人の身辺の疑惑を暴いての足の引っ張り合いのあとでは、はたして敗者側の朴陣営が本番の選挙で李明博を応援・支持できるのだろうか。中央日報―SBSの調査では、朴氏の支持者のなかで、李氏が予備選で勝ったら本番の大統領選挙で李氏に投票する人の割合は、第一次調査(4月25〜28日)で58.2%だったのが、第二次調査(8月10〜13日)では51.1%とはっきり落ちている。しかも泥仕合の結果、李氏のイメージはダメージを受けた。与党側に突出した候補がいない現在、李氏が大統領の最有力者であることは間違いないが、以上のマイナス要因がどう作用してくるのだろうか。
そして、最も注目されるのが、首脳会談など、北朝鮮との関係を与党がどう巻き返しに利用してくるかだ。ある韓国の政治評論家から「韓国の1ヶ月は普通の国の1年にあたる」という言葉を聞いた。それほど、めまぐるしく情勢が変化するのだという。小さな記事も見落とさないようにしよう。