本庶佑さんが子宮頸がんワクチンを推奨

 ノーベル医学生理学賞本庶佑(京大特別教授)が11日、根本匠厚生労働相に、子宮頸がんの原因ウイルスの感染を防ぐ「ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン」が現在、積極的に勧奨されていないことを指摘、「世界中で使われ、有効性があるという結果が出ている。WHO(世界保健機関)も非常に問題視している」、「ぜひすすめるべきではないか」と訴えた。本庶さんの研究がもとになったがん治療薬「オプジーボ」の「薬価が高いという不満の声も聞き、実際、医療費が増えている」と指摘したうえで、病気の予防への投資を呼びかけた。朝日新聞

 子宮頸がんワクチンが、日本では根拠のない誤情報によって、接種率が70%から1%未満へ急落するという異常事態になっていることを批判しつづけてきた村中璃子さんを、このブログでも何度か紹介した。村中さんはジョン・マドックス賞を受賞後、『10万個の子宮―あの激しいけいれんは子宮頸がんワクチンの副反応なのか』(平凡社)を出版している。
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20171220
 本庶さんは村中璃子さんの業績を高く評価している。写真は、村中さんのジョン・マドックス賞の祝賀会でお祝いの言葉をのべる本庶さん。本庶さんの影響力で、接種推奨再開に向かうことを期待する。
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 韓国で「これはいいな」と思ったことがいくつかある。
 まずは、移動の便利さ。例えば、地下鉄。9つの線があって市内をほぼ網羅している。乗り換えて遠くに行っても運賃が安い。感心したのは、地下鉄のある駅で降りてバスで別の地下鉄の線の駅に行って乗り換えると、バスの運賃は無料になること。つまり地下鉄を乗り継ぐためのバスはタダ。地下鉄もバスも公営で経営が一緒だからこんなことができる。東京は地下鉄が営団と都営に分かれ、乗り継ぐととても高くなる。バスも経営が別々だ。

 また、地下鉄の改札をサイクリストが自転車ごと通っていた。自転車を引いてそのまま車内に乗り込んでくる。これもいい。
 キャッシュレス化がはるかに進んでいる韓国では、タクシー料金を払うさい、韓国人の友人がマネーカードを運転手席のそばにかざすと、ピッと瞬時に支払いが完了。一方、日本でタクシー料金をクレジットカードで払おうとすると、読み取り機に差し込んで、通信が完了してからサインして・・と2分はかかる。
 カーシェアリングも進んでいる。例えば車を使いたいとき、検索すれば、最寄りの団地の駐車場のカーシェアできる車に乗って、用事を済ませてまた駐車場に返しておけば、後で料金が銀行口座から引き落とされる。

 地下鉄でこんな光景を目にした。乗り込んできた高齢の女性に、2〜3メートル離れたところから中年の女性が声をかけて席を譲った。老女が席に座ると、すでに座っていた2人のやはりお年寄りの女性に話しかけた。数駅すぎるころには3人は親しげにおしゃべりをしている。彼女たちは赤の他人である。こうした人と人の間の距離の近さは、かつて日本にもあったものだ。渡辺京二の『逝きし世の面影』に描かれた江戸末期から明治初期の親密なコミュニティを想起させられた。

 進んでいるいいこと、昔ながらのいいこと。他の社会を見ると、わが日本のありように気づかされる。