国境なき医師団クリニックで医療スタッフがエボラ感染か?

takase222014-08-24

今夜の「Mrサンデー」(フジTV)でジャーナリスト常岡浩介さんが、西アフリカからエボラ出血熱事情をリポートした。
映像はスマホ動画で送り、かろうじてつながった電話でスタジオとかけあいリポートができた。
私は常岡さんの取材をサポートしており、ここ数日、はらはらしながら現地での彼の動きを追っていたので、映像と電話でしっかり報告できてほっとした。

エボラ出血熱が広がっている。
《西アフリカで猛威を振るっているエボラ出血熱について、世界保健機関(WHO、本部スイス・ジュネーブ)は8日、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言し、感染拡大の阻止のため国際社会の協力を求めた。
 WHOは感染拡大について、「国際的な一段の拡大が招く結果は極めて重大」だと指摘した。チャン事務局長は同日の記者会見で、過去40年間で最も深刻な状況であり、西アフリカ各国には「対処する能力がない」と強調。さらに、緊急事態宣言によって「すべての国の最高レベルの指導者たちに注意を喚起する」と訴えた。》(産経新聞

患者数が最も多いのはシエラレオネだが、ここにジャーナリストの常岡浩介さんが、日本人取材者としては初めて入った。
向かったのは患者多発地帯の東部カイラフン。 今年6月、ここに「国境なき医師団」MSFがクリニックを開設した。エボラとの闘いの最前線である。
ギニアと国境を接する東部州カイラフンで、MSFはエボラ専門治療施設(80床)を運営している。連日5〜10人の新規患者を受け入れており、入院者数は50人。これまでに計321人を受け入れ、204人が感染確定。そのうち52人が回復・退院している。》
http://www.msf.or.jp/news/detail/headline_1567.html

常岡さん、現地にたどり着くまでが大変だった。
まずは飛行機便の確保。目玉が飛び出るほど高額の路線しかない。いろいろ探して比較的安いのを見つけ購入手続きを済ませ一安心。と思ったら、なんとその数時間後に、ルートの一部であるシエラレオネとガーナを結ぶケニア航空が「運航中止」を発表した!
これにビザ手続き、取材許可証、予防注射証明、首都からの車の手配、映像送りのインフラチェックなどなどが一挙に押し寄せ、てんてこ舞いだった。
写真は、現地に入った常岡さん。

常岡さんからきょう、緊急事態が起きたとの情報が入った。
彼が取材中のカイラフンのMSFクリニックの医師がエボラに感染したというのだ。
異変は、きょう、MSFが突然、常岡さんに、すべての取材を拒否してきたことに始まる。そのうち、「ハイリスク」エリア以外の場所で普通はやらない消毒作業が行われ、ホテルではMSFスタッフと他の宿泊客が隔離されるなどの措置が矢継ぎ早に取られているという。関係者の間では、感染はほぼ確実という噂が広がっている。
MSFはまだ公表をしていないが、少なくとも感染の疑いのあるスタッフが出たことは間違いなさそうだ。
深夜になって常岡さんから新たな情報が入った。現地のMSF広報が、常岡さんに対して「私が言えるのは、その人物(噂になっている、感染したとされる人)はMFSのスタッフではないということだけだ。これ以上は、患者の個人情報を考慮して、公表を差し控える」と語った。
常岡さんによると、MSFクリニックで働く、MFS所属ではない医師である可能性が高いという。

それにしても、二重の防護服を着るなど、徹底した防護策をとる医療従事者が感染するとは!
どうしたら確実に防げるのだろうか。