サンプロ「派遣法誕生」で受賞!

takase222009-03-31

うれしいニュース。「ジン・ネット」が受賞しました!
その賞とは「貧困ジャーナリズム調査報道賞」。
3月28日、「反貧困フェスタ」という催しで14の個人と団体に「貧困ジャーナリズム大賞2009」がおくられた。写真は授賞式でジン・ネットの石田久人(左)が賞状を受けたところ。
「貧困ジャーナリズム大賞2009」の意図はこうだ。
《貧困に関するジャーナリズムの関心はこれまで必ずしも高いものとはいえず、十分に報道されてきたとは言い難い面があります。ともすれば一面的な報道、感情的な報道、官庁発表垂れ流しの報道が繰り返され、貧困の実態に関する国民の無関心や無理解、誤解・偏見等を招いてきました。専門のジャーナリストがなかなか育たない状況にも私たちは強い危機感を覚えます。
他方でイギリスをはじめとする欧州の国々では、貧困をめぐる報道は日常的に、かつ多様な形で行われています。そこで私たちは貧困問題について理解と意識を持ち、正確に、かつ、継続的に報道する数少ないジャーナリスト個人に敬意を表すると同時に、その活動を励まし、称え、社会全体にアピールする機会として「貧困ジャーナリズム大賞」という賞を設けました。》

http://www.k5.dion.ne.jp/~hinky/festa2009/festa2009journal.html
ジン・ネットとテレビ朝日がいただいたのは「調査報道賞」だ。
テレビ朝日&ジンネット
サンデープロジェクト」(09年2月1日、8日)の「独走追跡スクープ証言!派遣法誕生の真実」において、労働者派遣法の制定時における関係者の“証言”を集めながら、大量の派遣切りという現状を招いた根っこの法律誕生にまつわる関係者の関わりや責任の所在を追及した。

2週連続で放送されたこの特集は、今の国会などでの派遣法改正論議異議あり!と一石を投じた、かなり論争的なものだった。ジン・ネットにも多くの激励と賛成意見にまじって批判もよせられた。しかし、番組に主張があるのは当然で、ときにそれが強く出たり、世の風潮に挑戦するものだったりもする。事実をゆがめて伝えないかぎり、議論をまきおこす役割を果たすのもメディアの役割の一つではないだろうか。
私は残念ながら授賞式に立ち会えなかったが、賞状とともにいただいた副賞を聞いて思わず微笑んでしまった。反貧困フェスタのロゴ入りのマグカップとバンダナだったという。
うれしかったのは、あの朝日歌壇「ホームレス歌人公田耕一さん が「貧困ジャーナリズム大賞2009」の「特別賞」に輝いたこと。
(公田さんについては前に書いた。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20090216

野宿している身の上を冷静に見つめる歌の数々。どれも切実さとペーソスに溢れて読む者の胸を打つ。おそらくは教養の高い、趣味人だった過去を持つ人なのだろう。ホームレスとは決して、生きる意欲をなくしたダメな人間ではない、ということを優れた作品をもって示した意義は大きい。

もちろん授賞式に彼の姿はなかったのだが。