ガザでの所業はジェノサイドの典型(クレイグ・モカイバー)

はじめにお知らせです。 ウクライナ取材をテレビ番組で報告します。 日本での報道と現地の実態はそうとう違っていて私も驚きました。その一部をお伝えしたいと思います。ご覧ください。 11月13日(月)よる9時~9時54分 BS11 「報道ライブ インサイドOUT] 私…

ウクライナのボランティア、マックスのこと

ウクライナのボランティア、マックス君を紹介したところ、大きな反響があり、彼と交流したいとの希望も寄せられています。 汚職がひどい話をたくさん紹介したので、その点、マックス君自身は汚れてないのか、大丈夫なのか?との疑問が当然出てくると思います…

ウクライナ取材を終えて

ウクライナ南部ザポリージャで、オデーサに向かう遠藤正雄さんと別れ、私は一人でバスでポーランドに出ることに。陸路国境を越え、31時間後、ワルシャワに着きました。ちなみにバス代は100ドル弱でした。 チェックアウトしたザポリージャのホテル前の朝焼…

ウクライナ取材の現場から11

ウクライナでの取材報告を読んでいただき、またご心配いただきありがとうございました。取材を終えるにつき、みなさんに一つ提案があります。 ウクライナの人と直接に対話してみませんか。例えば20歳のボランティア、マックス君と。彼は日本の人との交流にと…

ウクライナ取材の現場から10

10月23日夜、ウクライナ南部のザポリージャ市のホテルに一泊。翌24日の朝さっそくミサイルが落ちた場所を見に行く。 ホテルの窓がほとんど壊れているのでもっと近いかと思ったら、現場は200mほども離れている。ガラスが割れるのは爆発物の破片ではなく爆発…

ウクライナ取材の現場から9

「戦争は誰にとっても恐怖です。私にとっても」これに続けて、「恐怖を認めるには勇気がいります。私たちには勇気が必要です」とある。 町の道路沿いにこうした看板が立っている。戦意高揚のためと思われるが、命を捨てて、とか「欲しがりません、勝つまでは…

ウクライナ取材の現場から8

ウクライナで意外に思ったこと、いくつか。 まず、ゼレンスキー大統領の評判が高くないのに驚いた。「国外ではもてはやされてるけど、汚職問題や経済では成果を出していない」と通訳君。彼は前回の大統領選ではゼレンスキーに投票したが、他にましな人物がい…

ウクライナ取材の現場から7

戦地や紛争地の取材について。 私たちのような取材者は、取材される側、例えば軍の部隊にとっては負担であり、「おじゃま虫」でしかない。カメラが入るとなれば多少は掃除もして準備が必要だ。取材が始まればインタビューなどで人手も時間もとられる。その上…

ウクライナ取材の現場から6

私たちはウクライナ東部ドネツク州のクラマトルスク市にいる。ドネツク州の東側はロシアに占拠され、プーチンは「ロシアに併合した」と宣言した。ドネツクの州都だったドネツク市もロシア側にある。結果、ウクライナではこちら側にあるクラマトルスクが事実…

ウクライナ取材の現場から5

10月19日(木)。 朝、通訳が「深夜のミサイルはここから20kmの町、コンスタンティノフカに4発落ちて、学校と集合住宅6棟が破壊された」とテレグラムに掲載された写真を見せてくれた。工場、学校、病院はじめ生活に必要な施設を狙うのがロシアのやり口だ。 …

ウクライナ取材の現場から4

ウクライナ東部ドネツク州のクラマトルスクという大きな町で民間のアパートを借りて泊っている。「民泊」である。 5階の台所から見た夕暮れ。社会主義時代に建てられた「質実剛健」風のアパート群。 通訳を含め3人で1泊20ドルほど。きょうはパンとハム、チー…

ウクライナ取材の現場から3

10月18日(水)。朝冷え込んで零下。ウクライナはもう冬の寒ささ。 ウクライナが押している南部戦線から、最近ロシアが圧力を強める東部戦線のドネツク州前線線へ移動し、砲兵部隊を取材した。 秋の気配が深い平原を前線に向けて走る。向こうからくる軍用車…

ウクライナ取材の現場から2

10月17日(火)は、行政サービスの届きにくい最前線の集落に食料を配る活動を取材した。 向かったのは反転攻勢の焦点の地域で、砲声が響き、いつ砲弾が落ちるかわからないなか家々を回っていく。この危険な活動をやっているのは大学休学中の20歳の学生マック…

ウクライナ取材の現場から1

だいぶご無沙汰しました。実はウクライナを取材していました。去年アフガニスタンを取材したときと同じく、ジャーナリストの遠藤正雄さんと一緒です。遠藤さんはベトナム戦争をはじめ世界中の戦争、紛争を取材してきたベテランで、今回もたくさんのことを教…

ハマス・イスラエルの抗争によせて―冷戦期の負の遺産の総括を

ハマスとイスラエルの抗争がこれまでにない規模になっている。 7日、パレスチナ暫定自治区のガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスが突如、イスラエルへの攻撃を開始。イスラエル側も激しい空爆で応酬し、これまでに双方の死者は2100人を超えた(11日早…

関東大震災の虐殺100年によせて11

きょう、国と熊本県は水俣病認定に関する大阪地裁の判決を不服として控訴した。これ以上患者を苦しめてどうしようというのか。 9月27日、大阪地裁は、特別措置法の基準外でも水俣病にり患する可能性があるとする、初めての司法判断を示して原告全員を水俣病…

不運だったが不幸じゃない―冤罪被害者 桜井昌司さんの生き方

10月5日は、拉致被害者、横田めぐみさんの誕生日。 母校の新潟市立寄居中学校で恩師や同級生が集って早期帰国を願い、めぐみさんに思いを寄せた。13歳の時に拉致されて46年だから生きていれば59歳になる。この日は佐渡に住む曽我ひとみさんも参加した。曽我…

「ウクライナは1週間でおしまいだ」(プーチン)

ウクライナ東部のハルキウ州で2日続けてロシア軍による攻撃があり、50人以上が死亡した。 NHKニュースより 5日は犠牲者を追悼するため村の住民が集まっていたところにミサイル攻撃を受け、子どもを含む52人が犠牲になり、翌6日も攻撃で子どもが亡くなった。…

日本の高校生がアフガン「地下学校」と交流

去年秋に取材したアフガニスタンの「地下学校」。 takase.hatenablog.jp 3日、東京都内で「地下学校」の生徒や校長と日本の高校生とのオンライン交流会が行われ、同世代の少女たちが将来の夢や日常生活について意見を交換し合った。 企画した日本側の高校生…

世界に誇れる「山田堰」(中村哲)

3日の「素粒子」(朝日新聞夕刊のコラム)から。 記事中の数字に息をのむ。 × × 895億円(6億ドル)も。ささやかれる大谷の移籍費。 × × 性被害の補償要求が325人。「SMILE-UP.」 × × 1ドルは149円80銭台。きのう、年初来の安値を更新。 × × 27.23度。東京…

関東大震災の虐殺100年によせて10

ミュンヘンで開かれたモーターショーをNHKの有馬嘉男ヨーロッパ総局長が取材していた。 存在感を見せつけたのは中国メーカーで、EV売り上げ世界一のBYDはじめ、前回の倍をこえる75社が参加したという。 NHK国際報道より なかでも斬新なのが、バッテリーをい…

安倍元首相殺害にメディアの責任

23日(土)、JCJ(日本ジャーナリスト会議)の贈賞式に行く。 今年のJCJ大賞は鈴木エイトさん。大メディアが沈黙するなか、一人で巨大組織に立ち向かって困難な取材を続けてきた実績に、審査会では満票で大賞に選ばれたという。著作に『自民党の統一教会汚染…

関東大震災の虐殺100年によせて9

杉良太郎、見なおした。 20日の朝日夕刊一面 44歳のときから35年間、ベトナムの孤児だちを支援しつづけ、なんと200人もの里子を迎えてきたという。そのなかの一人、グエン・タン・ガーさんは、病気で両親を亡くして孤児院にいた12歳のとき、杉と出会って里子…

いま脚光を浴びるリトアニア

きょうは猛暑のなか、背丈より高く茂った雑草を抜きながらジャガイモを収穫するという重労働をやって日射病寸前になった。この辺は32度くらいになっていたはずだ。いつになったら秋の涼しさがやってくるのか。 シロザという雑草でジャングルのようになったイ…

日本の仏教界はなぜ戦争に協力したのか

千鳥ヶ淵戦没者墓苑にお参りに行ってきた。 毎年一度は行くのだが、今年はきょう9月18日の柳条湖事件の日にした。1931年(昭和6年)のこの日、満洲の奉天(現・瀋陽市)近郊の柳条湖で、関東軍が満鉄(南満洲鉄道)の線路を爆破し、中国軍による犯行だと…

関東大震災の虐殺100年によせて8

岸田改造内閣は突っ込みどころ満載。 認証式を終えた副大臣ら。女性はいない(朝日新聞) 5人の女性閣僚を起用しても、副大臣26人と政務官28人の計54人は全て男性議員で女性議員はゼロ。2001年に副大臣・政務官が導入されてから「女性ゼロ」は初めてだという…

関東大震災の虐殺100年によせて7

ベトナムから米軍が撤退して50年。しかし、今も地雷や不発弾の処理は先が見えないほど深刻だという。 米軍はベトナムに500万トン以上の爆弾を投下した。その不発弾でこれまでに4万人以上が亡くなっており、今でも年間千人近くが命を落としている。母親が不発…

関東大震災の虐殺100年によせて6

ジャニーズ事務所のタレントを起用した広告を取りやめる企業が相次いでいる。 「タレント自身に非があるとは考えていない」(メニコン)として直ちに契約解除はいないところもあるが、「納得いく説明があるまで新たな契約を結ばない」(サントリーHD)という…

関東大震災の虐殺100年によせて5

岸田内閣改造での注目は木原誠二官房副長官の処遇だった。 先月の訪米でも岸田首相に同行した木原氏(右)。側近中の側近だ。(毎日新聞より) 「岸田文雄首相は13日の内閣改造で、最側近の木原誠二前官房副長官を交代させる苦渋の決断を下した。 木原氏の妻…

関東大震災の虐殺100年によせて4

9日のTBS「報道特集」で関東大震災の朝鮮人虐殺を特集した。 9月10日の本ブログ記事に登場する船橋無線電信局(報道特集) 番組では9月3日の内務省警保局からの電文も紹介された(報道特集) 冒頭、最近発見された大震災の「絵巻物」が紹介された。全長32メ…