2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

チベットとの遭遇1 リチャード・ギアって誰?

チベットについての本を読もうかと、ずいぶん久しぶりにダライ・ラマの自伝を手にしたら、ページの間から何枚かの写真がこぼれ出た。その一枚は、ダライ・ラマとある白人が話していて、そばに私が立っているものだ。 92年、北インド、ヒマチャルプラデシュ…

産婆さんの復権を1

桜がわーっと一斉に咲き出した。よく晴れた昼過ぎ、衆議院議員会館前に矢島床子(やじまゆかこ)さんが現れた。3月2日の日記に紹介した助産婦さんだ。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20080302 きょうは、彼女が国会議員に陳情に来ると聞いて待ち受けてい…

五輪のために人権弾圧するという「論理」

国際的に糾弾すべき中国の重要な人権問題に、脱北者の強制送還がある。 数日前になるが、この記事には驚いた。 《中国当局が国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に対し、北京五輪が終わるまでは北朝鮮脱出住民(脱北者)を新たに保護しないよう要求、同…

漢族にも広がるチベットの波紋

(写真はきのうの六本木の公園で開かれた集会) きのう投票の台湾総統選では大差で国民党の馬英九候補が勝ち、政権交代となった。選挙戦ではチベット問題が争点になって、馬候補がオリンピック・ボイコットに言及したほか、与党・民進党の謝長廷候補が、チベ…

熱気あふれるチベット集会

きょう集会に行ってきた。 《中国チベット自治区での暴動鎮圧で市民に多数の死傷者が出たことを受け、中国政府の対応に抗議する集会が22日、東京都港区の公園で開かれ、日本の支援グループや在日のチベット出身者ら約900人(警視庁調べ)が参加、チベッ…

苦しみにどう向き合うか

懐かしい人に20年ぶりに会って遅くまで飲んだ。チベットの話を続けようかと思ったが、よっぱらっているので生き方の話をしたい。 この世は悩みが絶えない。いったい「悩み」とは何か。それは、とりあえず、「客観的に存在する問題が主観的意識に反映したも…

サンプロ20周年

ゆうべ赤坂のホテルで、サンデープロジェクト20周年のパーティがあった。 森喜朗、中川秀直、菅直人、中川昭一、石原伸晃その他の閣僚経験者が挨拶したほか、司会とカメラが会場を回って枝野幸男、福島瑞穂、鈴木宗男、穀田恵二ら著名政治家にマイクを向け…

人権弾圧はチベットだけではない

朝の通勤途中、おしゃれした親子何組かを見た。幼稚園の卒園式らしい。すっかり暖かくなってコートはやめた。近所のミモザも満開だ。 ダライ・ラマが暴力が続くなら退位すると語った。 《チベット亡命政府の最高指導者ダライ・ラマ14世は18日、当地の私…

チベットに必要なのは平和ではない

チベットの事態で、アメリカの俳優リチャード・ギアが吼えている。 BBCラジオに対して《「中国が適切な対応をせず、これまでのやり方を改めず、事態を認識せず、情報への自由なアクセスを認めないなら、われわれは断固として五輪をボイコットしなければな…

台湾では政権交代が当たり前

きょうはサンデープロジェクトで、ジンネットが担当した特集《台湾総統選挙−なるか政権交代》が放送され立ち会った。 来週土曜日に投票が迫った総統選は、国民党の馬英九が民進党の謝長廷に勝利して政権交代しそうな気配だ。今回の特集は、「政権交代」がテ…

フィリピンの密造拳銃2

はじめてフィリピンの密造拳銃の取材をしたのは84年だった。この年、日本への史上最大の拳銃密輸事件が摘発された。 《東京の暴力団員らが貨物船のコンテナに二百五十五丁もの短銃と実弾約三千発を隠してフィリピンから密輸入しようとしたところを警視庁保…

フィリピンの密造拳銃1

3月2日のサンデープロジェクト「銃犯罪はなぜ続発するか」で、私はフィリピン取材を担当した。フィリピンからは、今も相変らず密造拳銃が日本に流れ込んでいる。その密造の現場を取材した。 「おー、相変らずやってるなあ」。 セブ島のダナオでは今でも、…

三浦小太郎が斬るNY平壌公演2

第2次世界大戦中、フルトヴェングラーはナチス崩壊の直前までベルリン・フィルやバイロイト音楽祭で指揮を続けた。バイロイトはヒトラーの崇拝するワーグナーの楽劇のみを上演する音楽祭であり、戦争中は会場には「総統の招待客」としてドイツ軍兵士の姿が…

三浦小太郎が斬るNY平壌公演1

2月26日にニューヨーク・フィルハーモニーの平壌公演が行われた。 生で国際テレビ放送されたが、核放棄が進んでいないこともあって、さほど大きな話題にはならなかった。脱北者に聞くと、こういう国家的な催しの場合、観客は「この部門から何人」と割り当…

今朝の朝日新聞―工作員とクジラ

今朝の朝日新聞が「スクープ」を載せた。 地村さんと蓮池さんの拉致を指示した人物として、北朝鮮工作機関の幹部2人が特定されたとの記事を一面トップで出している。この2人は李完基(リ・ウォンギ)と姜海竜(カン・ヘリョン)で対外情報調査部の元部長と…

大好きな文旦にお別れ

写真は文旦とタンカン。大小の取り合わせが面白いので写真に撮ってみた。数年前、高知に行ったときに初めて食べ、あまりのうまさに感動して毎年取り寄せている。そろそろ文旦(ぶんたん)の季節も終わりである 歳をとってくると、あと何回桜を見られるだろう…

銃犯罪続発の背景その6

稲葉警部はなぜ、覚醒剤の密売にまで手を染めたのか。ここに「裏金」問題がからんでくる。 元北海道警察最高幹部の原田宏二さんは、かつて稲葉氏の上司で仲人もしている。いま、服役中の稲葉氏と文通しているが、手紙で彼はこう書いているという。(原田宏二…

銃犯罪続発の背景その5

02年7月、北海道警察は現職警官の逮捕を発表した。容疑は、拳銃と覚醒剤の不法所持・密売だった。逮捕されたのは銃器対策課の稲葉圭昭(いなば・よしあき)警部。彼は90丁以上の拳銃を摘発した「エース」だった。日本警察史上最大の不祥事の一つとなっ…

温暖化の風物詩

朝8時すぎ、娘が「遅刻する!」と騒ぎだすころ、連続朝ドラまでのNHKは、たいてい日本各地から季節のニュースを流している。今朝は富士山麓の「新しい冬の風物詩」だった。 カメラは富士山とその前に広がる山中湖の雄大な風景を映し出す。ズームインして…

銃犯罪続発の背景その4

数年前、裏金疑惑について知り、警察の底知れぬ闇に恐怖にも似た感覚を覚えたが、まさか自分がその取材に関わるとは思っていなかった。今回、ジャーナリストの大谷昭宏さんにこの企画に誘っていただき闇の一部を見ることができた。 元北海道釧路方面本部長の…

柳原和子さんの訃報

朝刊に知っている人の訃報があった。 《「がん患者学」などの著作があるノンフィクション作家柳原和子(やなぎはら・かずこ)さんが2日、都内の病院の緩和ケア病棟で、卵管がんのために死去した。57歳だった。葬儀は近親者だけで行った。 タイ・カンボジ…

銃犯罪続発の背景その3

警察という組織に対する私のイメージを変えたのは「裏金」だった。 04年に講談社文庫から出た北海道新聞取材班『追及・北海道「裏金」疑惑』を読んでおどろいた。警察では国と都道府県から下りてくる捜査費、捜査用報償費、旅費などがいったん全額「裏金」…

銃犯罪続発の背景その2

95年のこと。大宅武彦(おおや・たけひこ)さんは、長崎県警暴力団対策課のたたき上げの刑事で警部補だった。ある暴力団員の取り調べで佐世保市の早岐(はいき)署に応援に行った。暴力団員が「知人から銃を受け取る予定だ」との情報を知った大宅さんたち…

銃犯罪続発の背景その1

サンプロで特集「銃犯罪はなぜ続発するか」をオンエア。放送後、テレビ朝日社内で知り合いから「面白かった!」「渾身の取材でしたね!」と次々に声をかけられた。リポーターの大谷昭宏さんから昼メシを誘われたが、大事なアポがあったのでお断りし、国分寺…